これは紛れもなく、人類のこれまでの経験による ウイルスと戦う為の策 だったのです。。。
https://gigazine.net/news/20200309-public-health-interventions-epidemic-intensity/
の記事にもありますように、、、「非医薬品介入(non-pharmaceutical interventions (NPIs) )」を感染早期に実施する事がいかに大事なことであるか!ということだったのですね。。。NPIs(又はNPI)とは、人と人が接触することを減らすことで感染症の流行を阻止することですね。
1918年に世界中で「スペインかぜ」が流行した際には、複数の都市で用いられ大きな効果を発揮したそうです。。。
これまでのところ、Hの1、2、3、しか人類には入ってきていない。歴史的には、H2→H3→H1N1(スペインかぜ:大正7年(1918年)の8月から翌年の7月が第一波)→H2→H3→H1→H2N2(アジアかぜ:昭和32年)→H3N2(昭和43年)→H1N1(ソ連かぜ:昭和52年:スペイン型が変異して病原性が減弱した子孫がソ連型)という順番だそうです。
逆に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化に対しては、医薬品介入(Drug intervention)・人工呼吸器等、あらゆる手段が必要ですね。
国立国際医療研究センター長の大曲貴夫さんによると、、日本では、以下8剤についての検討が進められているとのこと
(各薬剤の作用点はページ下の「潜在的な薬物標的の簡略化された表現(JAMAより)」をご覧下さい。)
(1)ロピナビル・リトナビル(商品名カレトラ、プロテアーゼ阻害薬、HIVに適応)
(2)ファビピラビル(同アビガン、RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬、インフルエンザに適応)
(3)シクレソニド(同オルベスコ、吸入ステロイド、気管支喘息治療薬)
(4)ナファモスタット(同フサンほか、セリンプロテアーゼ阻害薬、急性膵炎などに適応)、カモスタット(同フオイパンほか、慢性膵炎などに適応)
(5)remdesivir(国内外未承認、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害、エボラウイルス病などに使用実績)
(6)ヒドロキシクロロキン(商品名プラケニル、マラリアに適応)
(7)リバビリン(C型肝炎に適応)
(8)インターフェロン
このうち、ロピナビル・リトナビル、ファビピラビル、シクレソニド、remdesivirの4剤については国内で臨床研究・観察研究が始まっているそうです。「アダプティブCOVID-19治療試験(ACTT)」
(この医師主導型試験では、肝酵素(ALT/AST)が正常値上限5倍を超える患者や、推定糸球体濾過量(eGFR)50未満または透析が必要な患者らは除外とのこと。また、試験期間中に新たに有望視される治療薬が登場した場合には、該当薬とプラセボのアームを新たに設定する「アダプティブ(適応型)」という試験を採用。一つの試験で並行して他実薬を比較検討する手法は、エボラウイルス病に対する臨床試験で採用されたとのことです。以上m3.comより)
以下は、備忘録としての参考記述・・・
インフルエンザウイルスは、ウイルス膜表面の蛋白質の突起が、NA(ノイラミニダーゼ)とHA(ヘマグルチニン:赤血球凝集素)HAが1~16番、NA1~9番まであり、これらの組み合わせ分だけ亜型(サブタイプ)があります。
https://www.drug.co.jp/latestnews/2008/
11/17/influ-something/
今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、プラス鎖1本鎖のRNAをゲノムとしたエンベロープ(細胞膜)を持つRNAウイルスですね。対照的にはエンベロープを持たないノロウイルスやアデノウイルスがあります。
SARS-CoV-2の膜表面に存在する突起状のタンパク質(スパイクタンパク質)が感染する細胞膜表面の受容体(これはアンジオテンシン変換酵素2=ACE2受容体と同じとのこと)に結合することで感染が成立します。糖尿病患者では、Ⅰ型Ⅱ型を問わずACE阻害薬やARBを服用しているとACE2受容体の発現が高くなることが分かっているそう。この意味では、高血圧症患者のようにACE阻害薬やARBを服用している人の方が感染しやすいのかなんていう説があります。糖尿病治療薬のチアゾリジン系薬、NSAIDsのイブプロフェンも ACE2受容体を増加させることが知られております。なので、解熱目的ではアセトアミノフェンを選択した方が良さそうですね。
ACE2受容体は、特に心臓、肺、腎臓、消化管に存在し、RASシグナリング(RAS活性化)において重要な仲介的役割を果たしている。(Rasタンパク質には、HRAS、KRAS、NRASの3種類のアイソタイプが発見されています。これらは、細胞周期進行、細胞移動、アポトーシス、老化、および他の生体機能に関与する多くのシグナル伝達経路に関連する低分子量グアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)です。)これらの臓器は SARS-CoV-2 の感染を受けやすいことが分かっているそうです。ということは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、
また、喫煙ですが、これは炎症サイトカインの活性化とアポトーシスを通じて肺にダメージをもたらし、T細胞などの循環免疫細胞を直接傷害することが分かっているそうです。また、喫煙(ニコチン)が肺の ACE2受容体の発現を増加させる可能性があるとのことです。
参考:
http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/
files/information/2020322.pdf
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